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血液検査

血液の生化学検査によって、血液中の脂質や脂質を輸送しているタンパク質に異常があるかどうかを知ることができます。血漿脂質の基本的なチェックとして、性状の観察、血中の総コレステロールや中性脂肪の量の測定が行われています。動脈硬化の危険があるかどうかを判断するには、さらにHDLコレステロール、LDLコレステロール、アポタンパク質の量、リポタンパク質の識別など、特異的な検査が必要になります。

 血中コレステロールの正常値を決めるのはそれ程容易ではありません。厳密には正常値は、年齢、性別に個人差が加わり、一人ひとり異なるからです。わが国では正常値の上限を、総コレステロールの場合200・/dl 、中性脂肪では150・/dl とする考え方が提唱されています(日本動脈硬化学会1987年)。

 総コレステロール値(HDLコレステロールとLDLコレステロールの合計)を知ることは大切です。しかしそれだけでは不十分で、生理学的にバランスを保つためにHDLコレステロールの量も測定する必要があります。HDLコレステロール値の基準値は男性では40~70mg/dlとされていますが、女性では男性よりやゝ高くなっています。

 実際問題として、総コレステロールが僅かしか増えていなくても、LDLコレステロールが著しく増加し、HDLコレステロールの量が低下していることがあります。従って二つの値を知り、総コレステロールとHDLコレステロールの比率を求めることで、危険度を知ることができます。

血中のコレステロール量をいつ測定するのか?

30才を過ぎたら、たとえ健康に特に問題がなく、また家族にも自分自身にも循環器系の既往歴がない場合でも、5年毎に検査を受けるようにします。
循環器系の病気に罹っている人や、肥満、喫煙者、運動不足などの危険因子を持っている人々は、必ず毎年検査を受けるようにします。その理由は、こうした危険因子によってそれぞれの危険度が強められているからです。
子供の場合、家族の中に家族性高コレステロール血症の患者がいるときは、検査を受けるようにします。
 経口避妊薬を服用している場合や妊娠しているときの定期検査で、高コレステロール血症が発見されることがあります。

 高コレステロール血症が家族性で遺伝的な場合がありますが、若くても血中のコレステロール値が300~1000mg/dlと極めて高いことから鑑別することができます。このような場合は、特殊な治療を続けて受ける必要があります。

 総コレステロール値が200mg/dlを超える場合には、随伴する危険因子がないかどうかを調べ、食事療法や薬による治療を行います。


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